肩こり、腰痛、五十肩について

「肩こり」

《肩こりとは?》

肩から肩甲骨に生じるコリやつっぱり感、痛みなどで、ひどい場合には頭痛や吐き気を伴うこともあります。
肩こりには様々な筋肉が関係しますが、主に肩甲骨を覆っている僧帽筋や頸の胸鎖乳突筋や板状筋、肩甲骨周囲の肩甲挙筋・脊柱起立筋などの過緊張や循環不全によって生じます。これらの筋肉は頸や肩関節の動きをサポートする役割を担っているため、負荷がかかりやすくなります。
長時間のデスクワーク、PCやスマホの長時間の使用、不良姿勢、運動不足、冷え、精神的なストレス、自律神経の乱れなどが重なり、肩周辺の筋肉の緊張と血流不足によって起こると考えられています。

《当院での「肩こり」の治療》
問診と徒手検査を行い、鑑別すべき疾患かどうか見極めます。
筋緊張や痛みが強い筋肉への施灸や刺鍼をします。
肩こりの場合でも、肩周辺を中心に全身治療を行うことをお勧めしています。
全身のバランスをとることによって、より大きな効果が期待できるからです。
必要であれば、鍼への通電も行います(10~15分程度)。
その後、全身のあん摩(マッサージ)を行います。
ご希望であれば、ご家庭でできる運動や、セルフ灸のやり方と施灸部位(ツボ)などもご案内いたします。

「腰痛」

《腰痛とは?》

腰痛は、脊椎疾患(腰椎椎間板ヘルニア、脊椎管狭窄症、脊椎の変形や圧迫骨折など)によるもの、腰部の筋肉や腱の緊張や循環不全によるもの、内臓疾患(婦人科系、消化器系など)によるもの、冷えなどが原因となるものなど様々です。
場合によっては、筋肉や変形した骨が神経を絞扼してしまい、坐骨神経痛や下肢へのしびれなどを引き起こすこともあります。
また、腰部は血管が豊富な部位ですので、ストレスによって自律神経のバランスが乱れた場合、血管が収縮してしまい慢性腰痛にいたることもあります。
幅広い世代にわたり、一番多い慢性疾患かもしれません。

《当院での「腰痛」治療について》
◆急性腰痛の場合◆
ぎっくり腰は別名「魔女の一撃」ともいわれる程、急に発症し、激痛で歩行困難になることもあります。早期のぎっくり腰の場合には、痛む患部を除いた、下肢や腹部にある腰痛の特効穴(ツボ)を使って治療させていただきます。1週間~2週間たって慢性期に入ったぎっくり腰の場合には、より早い回復を目指して患部の施灸や施鍼も行います。
循環改善と鎮痛効果を期待することができます。

◆慢性腰痛の場合◆
上述しましたように原因は様々です。
問診と徒手検査により、鑑別すべき疾患を判断し、治療方針を決定します。
腰部、臀部、骨盤周囲を中心に、施灸や施鍼を行います。
腰痛の場合にも、全身のバランスが重要ですので、全身治療をお勧めすることが多いです。
場合によっては、鍼に電気を流します(10~15分)。
あん摩(マッサージ)を行います。
お時間があれば、ご家庭できる運動法やセルフ灸のご案内も致します。

《五十肩とは?》

正式名称は「肩関節周囲炎」といいます。
肩は体の中で最も可動域の広い関節で、骨といくつかの腱によって支えられています

加齢に伴い、肩関節とその周辺の組織が慢性的な炎症を起こし、腕を上げたり後ろに回したりする動作が痛みのために制限されます。
夜中に眠れないほど痛むこともあり、ご本人にとっては大変つらい疼痛疾患です。
程度によっては3カ月~1年半ほどで回復しますが、ひどい場合には関節が拘縮してしまうこともありますので、要注意です。
回復を早めるには、冷やさないこととと、鍼灸治療や肩の軽い運動を行うことが効果的です。

《当院での「四十肩・五十肩」の治療》
問診と徒手検査を行い、類似疾患(上腕二頭筋長頭腱炎、滑液包炎など)との鑑別を行います。
肩関節は上腕骨、鎖骨、肩甲骨の3つの骨によって構成されています。
その周囲をいくつかの腱や関節包などの軟部組織が覆っています。
炎症、拘縮を起こしている軟部組織を目標に刺灸・施鍼を行います。
抗炎症、鎮痛、循環改善が目的の施術となります。
場合によっては、鍼に電気を流します(10~15分程度)。
その後、あん摩(マッサージ)を行います。
ほとんどの場合には、前腕、頸部、肩甲骨周囲のコリを伴うことが多いので、上半身全体の治療が効果的です。

また、ご自宅でも軽い負荷をかけたアイロン体操、棒体操やストレッチなどをおすすめしています。

冷やさなことと、痛みが出るほどの無理なリハビリ運動は避けることも大切です。